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飲食店の棚卸しのやり方|正確な在庫管理で利益を守る実践ガイド

2026年4月9日

飲食店の棚卸しとは?利益管理の基本をおさえよう

飲食店を経営していると、毎日の売上や客数は把握していても、「実際にどのくらいのロスが出ているのか」「原価率は本当に正しいのか」が曖昧になりがちです。その曖昧さを解消するのが棚卸しです。

棚卸しは、決められた時点での食材や調味料などの在庫を数え、帳簿上の在庫と実際の在庫を照らし合わせる作業。一見、地味で面倒な業務に思えるかもしれませんが、正確な経営判断をするには欠かせません。

棚卸しで見つかるロスには、以下のようなものがあります:

  • 期限切れ食材の破棄
  • 仕込みの段階での削減率の誤算
  • 食べ残しやクレーム対応での廃棄
  • 保管方法の不適切さによる劣化
  • 計量ミスや記録ミス

これらのロスを正確に把握することで、初めて改善のアクションが見えてきます。

飲食店の棚卸しはいつやる?最適な頻度と時期

棚卸しの頻度は、お店の規模や経営スタイルによって異なりますが、一般的な考え方は以下の通りです。

月1回の棚卸しが基本

多くの飲食店では、月に1回、月末や月初に棚卸しを実施しています。これにより、毎月の原価率を正確に計算でき、経営状況を把握しやすくなります。

月1回であれば、スタッフの負担も過度にならず、継続しやすい頻度です。

複数店舗を運営している場合

複数店舗がある場合は、各店舗を別々に棚卸しして、店舗ごとの原価率や在庫管理の状況を把握することが重要です。これにより、どの店舗でロスが多いのか、どの店舗の発注精度が低いのかが見える化されます。

繁忙期は追加棚卸しも検討

正月や GW、お盆など、売上が大きく変動する時期は、月1回の棚卸しに加えて、繁忙期終了後に追加で棚卸しすることをおすすめします。通常と異なる在庫動きを把握できます。

飲食店の棚卸し:実践的な手順

ここからは、実際に棚卸しを実施する際の具体的な手順をご紹介します。

ステップ1:棚卸し前の準備

効率的な棚卸しのためには、事前準備が大切です。

  • 棚卸し日時の決定:営業後、スタッフに十分な時間がある時間帯を選びましょう。朝の営業前や夜間営業の終了後が目安です。
  • 棚卸し表の準備:食材の種類、単位(個数、kg、リットルなど)、想定される単価を記載したリストを作成しておきます。
  • スタッフへの周知:事前にスタッフに棚卸しの日時と担当を明確に伝えておきます。
  • 冷蔵庫や保管場所の清掃:古い在庫や不要な物を取り出し、数えやすい状態を整えておきます。

ステップ2:現物数量の確認

いよいよ実際の棚卸しです。以下の手順で進めます:

  • 場所ごとに分けて実施:冷蔵庫、冷凍庫、パントリー、備蓄庫など、場所ごとに分けて数えることで、ミスを減らせます。
  • 複数人で確認:1人が数えて、もう1人が記録する体制がおすすめ。二重チェックでミスを防げます。
  • 期限の確認:数量と一緒に、賞味期限や消費期限も確認します。期限切れ間近の食材は、使い切りの対象にします。
  • 単位を統一:kg、本、個数など、食材によって異なる単位を事前に統一しておくことが大切です。

ステップ3:帳簿在庫との照合

現物数量を確認したら、帳簿上の在庫(食材の発注記録から計算した理論在庫)と比較します。

  • 差異を計算:現物在庫 - 帳簿在庫 = ロス(または盗難)
  • 差異が大きい食材をピックアップ:特に差異が大きい食材については、原因を調査します。
  • 調査と記録:「この食材は期限切れで廃棄した」「この月は仕込み方を変えたから削減率が異なった」など、理由を記録しておきます。

ステップ4:帳簿の更新と原価率の再計算

棚卸し結果に基づき、帳簿の在庫を更新します。

  • 在庫調整記録:棚卸しで判明したロスを「商品評価損」として帳簿に記録します。
  • 原価率の再計算:正確な在庫に基づいて、その月の原価率を改めて計算します。

原価率の詳しい計算方法や目安については、飲食店の原価率の目安とは?計算方法と今日からできるコスト削減術7選をご参照ください。

棚卸しを効率化するコツ

棚卸しは重要ですが、スタッフの負担を減らす工夫も必要です。ここでは効率化のコツをご紹介します。

1. 棚卸し表をあらかじめ整理しておく

食材を分類し、棚卸し表に優先順位をつけておくと、スムーズに進められます。毎月同じ形式を使用することで、スタッフも慣れやすくなります。

2. 在庫の整理整頓を日々の習慣に

棚卸し時に焦らないために、日頃から「古いものを前へ」の法則を徹底し、保管場所を整理整頓しておくことが大切です。これにより、棚卸し当日の効率が大幅に向上します。

3. スタッフローテーションで棚卸し専任者を置く

毎月同じスタッフが棚卸しに携わると、ノウハウが蓄積され、ミスが減ります。

4. デジタル化の活用

スマートフォンアプリやタブレットを使って棚卸し情報を入力すれば、その場でデータ化でき、後から手作業で転記する手間が省けます。また、クラウド上で複数人が同時に入力することで、作業時間を大幅に短縮できます。

棚卸しで見つかったロスをどう活かすか

棚卸しは単なる数字合わせではなく、経営改善に繋げることが重要です。

ロスの原因分析

棚卸しで差異が見つかったら、なぜそのロスが生じたのかを分析します。

  • 食材の腐敗・変質:保管温度や湿度に問題がないか確認
  • 過度な廃棄:仕込み量や仕込み方の見直し
  • 発注のミス:需要予測の精度向上が必要

ロスの削減については、飲食店のフードロス対策|原因分析から削減を実現する具体的な方法で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

コスト管理の視点から

棚卸し結果は、飲食店のFLコスト(FL比率)とは?目安と改善する具体策の改善にも直結します。正確な原価率が分かれば、メニュー価格の見直しや仕入れ先の選定にも活かせます。

飲食店の食材仕入れ先の選び方|コストと品質を両立する取引先管理のコツも参考に、発注先の見直しを検討してみるのもいいでしょう。

複数店舗の場合は店舗比較分析を

複数店舗を運営している場合は、店舗ごとの棚卸し結果を比較することで、各店舗の経営状況が明確になります。ロスが多い店舗の原因を調査し、成功事例を他の店舗に展開することで、全体のコスト改善につながります。

飲食店の多店舗展開で失敗しないために|管理体制づくりと数字の見方では、複数店舗の管理方法についてさらに詳しく解説しています。

棚卸しを経営判断に活かす

棚卸しの本来の価値は、「経営判断を正確にする」ことです。

損益計算書(PL)への反映

正確な棚卸しデータは、毎月の損益計算書の精度を高めます。飲食店の損益計算書(PL)の見方|毎月チェックすべき5つのポイントでは、棚卸しで得たデータをPLにどう活かすかを解説しています。

発注精度の向上

正確な在庫情報があれば、来月の発注がより適切になります。過度な発注を防ぎ、必要な食材を必要な量だけ仕入れることで、ロスを最小化できます。

飲食店の発注業務を効率化する方法|時間とミスを減らす仕込みづくりと合わせて読むことで、発注と在庫管理の全体像が見えてきます。

経費削減への道筋

棚卸しを通じてロスが見える化されれば、具体的な改善アクションが生まれます。これが飲食店の経費削減アイデア15選|利益を残すために見直すべきポイントの実行に繋がります。

棚卸しを習慣化するために

棚卸しの最大の課題は「継続すること」です。以下のポイントを意識して、習慣化してみてください。

  • 日程を固定する:毎月〇日と決めておくことで、スタッフも準備しやすくなります。
  • 責任者を明確にする:誰が棚卸しの実施を管理するのかを決めておきます。
  • 記録を残す:棚卸し結果と改善アクションを記録しておくことで、次月以降の改善に役立ちます。
  • スタッフに成果を示す:「この棚卸しのおかげで、こんなロスが見つかった」「こうして改善した」と、スタッフに伝えることで、モチベーション向上に繋がります。

正確な数字管理が、飲食店経営の基本

棚卸しは、毎月少しの手間で、お店の経営状況を大きく改善できる施策です。ロスの原因が分かれば、発注の最適化につながり、飲食店のコスト管理方法|利益を残すために見るべき5つの数字と管理のコツで述べられているように、経営数字の質が変わります。

毎月の棚卸しを通じて、「なんとなく経営」から「数字で経営」へのシフトを目指してみませんか?

ただし、棚卸しだけで完結するのではなく、その後の発注最適化やコスト分析まで一体で考えることが大切です。手作業での管理が限界に達しているなら、デジタルツールの導入も視野に入れてみてください。

複数店舗を運営していて、各店舗の在庫管理と発注が煩雑になっているなら、ぜひ一度お気軽にご相談ください。無料30分デモで、あなたのお店にぴったりの管理方法を一緒に考えることができます。

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