飲食店の食材ロス率とは?基本から理解しよう
飲食店を運営していると、毎日のように「もったいない」と感じる場面がありますよね。仕込みで余った食材、期限が切れてしまった食材、クレームで返品になった料理…こうした「ロス」は、利益を大きく蝕む原因になっています。
でも、多くのオーナーは「なんとなくロスが出ている」と感じているだけで、実際にどのくらいのロスが発生しているのか、数字で把握できていません。
食材ロス率を数値化することで、初めて「今月のロスは去年より多い」「この食材でロスが出やすい」といった具体的な問題が見えてきます。そして、見えた問題に対して、初めて改善策を立てることができるのです。
このガイドでは、食材ロス率の計算方法から、業態別の目安、そして改善のポイントまでを、わかりやすく解説します。
食材ロス率の計算方法|3つの手順で数字を把握する
食材ロス率の計算は、思ったより複雑ではありません。基本的な3つのステップで、あなたの店のロス率が見えてきます。
1. ロス額を集計する
まず、一定期間(通常は1ヶ月)のロス額を集計します。ロスには以下のようなものが含まれます:
- 期限切れで廃棄した食材
- 調理ミスや返品で使えなくなった食材
- 仕込み時に出る野菜の芯やスジなど、可食部分以外の部分
- 売れ残りで廃棄した完成品
- 盗難や紛失した食材
日々の発注記録や廃棄ログを元に、正確に集計することが重要です。棚卸しのやり方を定期的に実施することで、より正確なロス額を把握できます。
2. 仕入額(または原価)の合計を確認する
同じ期間に購入した全ての食材の仕入額を合算します。これは、発注記録や請求書から簡単に集計できます。
注意点としては、「売上に対する原価」ではなく「仕入れに対するロス」を見ることが大切。より正確な分析につながります。
3. ロス率を計算する
以下の計算式でロス率を算出します:
ロス率(%)= ロス額 ÷ 仕入額 × 100
例えば、月間の仕入額が100万円で、ロス額が5万円だった場合:
5万円 ÷ 100万円 × 100 = 5%
つまり、このお店のロス率は5%ということになります。
業態別の食材ロス率の目安
食材ロス率は、店舗の業態によって大きく異なります。自分の店がどの水準にあるのかを知ることは、改善の出発点になります。
| 業態 | 目安となるロス率 | 特徴 |
|---|---|---|
| ラーメン・うどん | 2〜4% | 仕込みが少なく、スープで再利用できるため、ロスが少ない |
| 焼肉・炭火焼 | 3〜6% | 仕込みが比較的少なく、食材の保管期間が短い |
| フレンチ・イタリアン | 5〜8% | 細かい仕込みが多く、細部のカットロスが発生しやすい |
| 寿司・割烹 | 4〜7% | 生もの扱いで期限管理が厳しく、廃棄が発生しやすい |
| 中華料理 | 4〜7% | 仕込み量が多く、販売数の変動によるロスが発生 |
| カフェ・ベーカリー | 5〜12% | 売れ残り商品の廃棄が発生しやすく、ロス率が高くなる傾向 |
| 和食・定食屋 | 4〜7% | メニュー数が多く、仕込みの予測が難しい |
ただし、これらの数字はあくまで目安です。店舗の立地、営業時間、営業スタイル(予約制か来店制か)によっても変わることを念頭に置いておきましょう。
あなたの店のロス率は高い?低い?判断のポイント
ロス率を計算したら、それが「良い数字か悪い数字か」を判断する必要があります。
ロス率が業態別の目安より高い場合
ロス率が目安より高い場合は、改善の余地があります。以下のような原因が考えられます:
- 発注量の過剰:需要予測が甘く、毎日大量の売れ残りが出ている
- 保管・管理が不適切:温度管理の不備や保管方法の問題で、傷みやすくなっている
- 調理スキルのばらつき:スタッフによって仕込みの量や方法が異なり、廃棄が増えている
- メニュー構成:需要の低いメニューが含まれていて、頻繁に廃棄している
フードロス対策では、こうした原因の分析から削減の具体的な方法までを詳しく解説しています。
複数店舗を運営している場合
複数店舗を運営しているなら、店舗ごとのロス率を比較することが重要です。
例えば:
- A店のロス率は4%、B店は7%
- 同じメニュー構成、同じ業態なのに、なぜ違いが出ているのか?
このような問題が見えることで、「B店の管理方法をA店に適用したら改善できるのでは?」といった、具体的な施策につながります。多店舗展開で失敗しないためにには、複数店舗を効率的に管理するポイントがまとめられています。
ロス率を下げるための5つの改善ポイント
1. 売上の予測精度を高める
ロスの大きな原因は「売上の読み誤り」です。天気、曜日、イベント、季節などのパターンを分析して、発注数を最適化することが重要です。
過去3ヶ月の売上データを分析すれば、パターンが見えてきます。毎週月曜は売上が少ない、祝前日は多いといった傾向を掴めば、発注を調整できるようになります。
2. 食材の保管・保管期間を管理する
在庫管理を仕組み化する方法では、属人化を防ぎながら正確な在庫管理を実現する方法を解説しています。
先入先出(FIFO)の原則を徹底することで、期限切れロスを大幅に減らせます。
3. 仕込みの標準化
スタッフごとに仕込み方法や廃棄の基準が異なると、ロスがばらつきます。標準的な仕込み方法をマニュアル化し、全スタッフが同じ方法で仕込みできるようにしましょう。
4. メニュー構成の見直し
いつも売れ残るメニューを続けていては、ロス率は改善しません。原価率の目安とは?を参考に、利益性とロス率の両面からメニューを評価してみてください。
5. 廃棄ログを毎日記録する
何がどのくらい廃棄されているかを毎日記録することで、問題点が浮き彫りになります。「毎日キャベツが半玉廃棄されている」といった問題が見えれば、発注量を減らすべきだと判断できます。
ロス率を含めた総合的なコスト管理
ロス率だけを見ていても、経営は改善しません。他のコスト指標と合わせて管理することが大切です。
FLコスト(FL比率)とは?では、食材コスト(F)と人件費(L)を合わせた指標を紹介しています。
また、コスト管理方法では、利益を残すために見るべき5つの数字をまとめています。ロス率はその中の1つですが、原価率、人件費率、FLコストなど、複合的に管理することで初めて経営の全体像が見えてきます。
損益計算書(PL)の見方を参考にして、毎月の数字を正確に追いかけることが、安定した経営につながります。
さらに改善を進めるために
ロス率を計算し、その原因を分析することで、具体的な改善施策が見えてきます。
ただし、多くのオーナーが直面する課題は、「数字は分かったけど、どうやって改善を進めるの?」という点。特に複数店舗を運営している場合、毎日の発注とロス管理を並行して行うことは、かなりの手間がかかります。
もし、ロス率の改善に時間を割くことができていない、または複数店舗の管理が煩雑になっているなら、一度お気軽にご相談ください。
飲食店オーナーが実際に手のかかるところを改善するために作られたシステムだからこそ、現場の課題に合った形で、ロス削減と効率化を同時に実現できます。
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